卵巣腫瘍


どんな病気か
 卵巣は子宮の左右両側にひとつずつあり、通常は直径2~3cm程度の大きさです。卵巣と子宮をつなぐ役割をしているのが卵管です。この卵巣にはれが生じた状態を卵巣腫瘍といいます。多くは卵巣の片側に発生しますが、両側に発生することもあります。
  卵巣腫瘍は、ほかの臓器に発症する腫瘍に比べて非常にたくさんの種類があります。大きく2つに分類すると、嚢胞性(のうほうせい)腫瘍(いわゆる卵巣嚢腫(のうしゅ))と、充実性(じゅうじつせい)腫瘍に分けられます。
  また、卵巣腫瘍は臨床経過に応じて、良性、悪性、境界悪性(良性と悪性の中間的なもの)の3群に分類されます。一般的に、嚢胞性腫瘍は臨床経過としては良性のことが多く、充実性腫瘍は約75~80%程度が悪性もしくは境界悪性腫瘍です。
原因は何か
 卵巣腫瘍は非常に種類が多く、その発生原因も多岐にわたります。
 たとえば、良性の卵巣腫瘍のなかで最も発生頻度が高い成熟嚢胞性奇形腫は胚(はい)細胞腫瘍と呼ばれ、胎児が発生する段階の細胞が卵巣の内部で腫瘍を形成したものです。また、子宮内膜症性(しきゅうないまくしょうせい)卵巣嚢腫は、卵巣の内部で子宮内膜が増殖して、月経周期に一致して出血を繰り返し、卵巣のなかに月経血が毎月たまることで発生します。
 悪性の卵巣腫瘍である卵巣がんは、通常、ヒトの体をがんから守るはたらきをする物質をつくるための鋳型(いがた)である遺伝子(がん抑制遺伝子)の異常によって発生すると考えられています。
治療の方法
 通常、良性の卵巣嚢腫が疑われ、その腫瘍のサイズが直径10cm以内であれば、腹腔鏡下(ふくくうきょうか)腫瘍摘出術が可能です。ただし、サイズがそれ以上に大きいものや画像診断で悪性が疑われる場合には、開腹による腫瘍切除が必要になります。
 卵巣がんであれば、通常、子宮の摘出、大網(だいもう)(胃と大腸の間の膜)の切除、腹膜播種病変の切除、リンパ腺の郭清(かくせい)(リンパ腺を摘出し、転移の有無を調べること)を初回手術として行い、手術後約1~2週後から抗がん薬を用いた化学療法を行います。
 卵巣がんは、白血病などを除いた固形がん(1カ所に固まって発生するがん)のなかでは、抗がん薬によく反応する悪性腫瘍で、手術後に化学療法を行うと治療効果が改善することが知られています。また、最近では、少しずつ新しい抗がん薬が開発されてきていて、なるべく高い効果を保ちながら、副作用を抑える工夫がなされてきています。
初診に適した科
婦人科 産婦人科
情報提供 病院のクチコミ ホスピ

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